自分のことは自分で守ろう~セルフメディケーションのススメ~

新型コロナウイルス治療薬の個人輸入はやめましょう。

先日、業界紙に掲載されたところによりますと、インターネット上で、新型コロナウイルス治験薬候補に挙がっている複数の医薬品が、治療薬として販売されていたことが、金沢大学の研究で明らかになりました。

薬の個人輸入がなんとなく「危険かもしれない」ということは皆さんも御存知だと思います。

そこで、今日は、どうして海外から薬を個人輸入することが危険なのかについて、お話したいと思います。

日本で使われる薬は日本人を対象に治験が行われています。

新型コロナウイルス治療薬に限らず、日本では医薬品の開発をする際に市場に出回ってもいいという薬の販売許可を取得するまでに、日本国内で日本のルールにそった治験が行われています。。

また、海外で治験が行われ承認を得ている薬剤に関しても、日本人の遺伝的背景でも同様に効果を表すか、日本人に独自の副作用の懸念がないかといった観点から、国内でも試験が行われます。

たとえば、現在高齢者への接種が始まっている新型コロナウイルスワクチンの「コミナティ」(ファイザー社)も、海外のデータを参考にしつつ、国内治験(Phase I/II)を行ったうえで承認を受けています。

これにより、一定の有効性と安全性を確認された医薬品が国内で承認を得て流通します。

「レムデシビル」と「デキサメタゾン」がCOVID-19治療薬として承認されています。

調査時点およびこの記事を掲載している2021年4月19日現在、新型コロナウイルス治療薬として「レムデシビル」と「デキサメタゾン」の2剤が国内承認を受けています。

しかし金沢大学の研究によりますと、調査した個人輸入代行サイトの中に承認を受けていない10品目について掲載しているサイトがあり、さらにそのうち7つについては法律で禁じられている「医薬品の広告」が行われていました。

これら10品目はすべて、国内では新型コロナウイルス治療薬として承認されていません。

別の疾患における治療薬として国内で使用されているものもありますが、中には、心機能への影響や眼障害を来すような急性毒性・慢性毒性があるため安全性と有効性についての十分な知識を持った医師のもとでしか使用できない薬剤もあります。

薬剤師から見ても決して個人が気軽に服用できるものではない、非常に危険な薬であっても、こういったサイトに掲載されていることがあるのです。

副作用が出たときの「医薬品副作用被害救済制度」は個人輸入した薬には適応されません。

医療用医薬品は、様々なリスクとのバランスをとったうえで必要なときに必要なだけ必要な人に医師からの処方によって使用するものですから、個人が勝手な判断で服用することは想定されていません。

したがって、これらの薬剤を個人輸入代行サービスによって購入し、服用して何らかの副作用が現れたとき、国の医薬品副作用被害救済制度を使うことはできません。

また、お薬を実際に使う消費者は、日本国内では当たり前のように高品質ものもが手に入ると考えがちですが、輸入代行サービスの中には低品質医薬品、偽造医薬品の混在の心配があります。

日本国内で承認を受けた医薬品は製造販売業者から医薬品卸売業者を経て医療機関や薬局に流通しており、ロット・期限管理等が行われています。

医薬品は正規のルートで入手して使用しましょう。

用語:特例承認

健康被害の拡大を防ぐために、他国で販売されている日本国内未承認の新薬を、通常よりも簡略化された手続きで承認し、使用を認めること。コミナティの承認はこれにあたる。簡素化されているが、国内治験を行わないということではない。

薬事日報4月12日「コロナ候補薬がネット流出」

 

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