自分のことは自分で守ろう~セルフメディケーションのススメ~

50代男性の「不調」は更年期の可能性もあるんです!

女性に更年期があることは長年知られていますが、近年、男性更年期障害という病態があることがわかってきました。

男性更年期障害は、加齢、ストレス、男性ホルモン(アンドロゲン)低下などが原因で生じます。

●男性更年期症状●

精神症状      身体症状
■健康感の減少   ■筋力低下,筋肉痛
■不安       ■疲労感
■いらいら     ■ほてり,発汗
■うつ       ■頭痛,めまい,耳鳴り
■不眠       ■性機能低下
■集中力の低下   ■頻尿
■記憶力の低下   ■Morning erectionの消失
■性欲の減少

LOH症候群

さきほど挙げた男性更年期症状のうち、加齢に伴う男性ホルモンの減少によって生じる病態は、近年、加齢男性性腺機能低下症候群Late-onset hypogenadism(LOH症候群)と呼ばれています。

LOH症候群の本質はアンドロゲン低下に伴う多臓器機能障害です。

男性の身体の中で、アンドロゲンは多くの重要な生理的役割を担っています。

その作用は筋・骨・中枢神経系・前立腺・骨髄・皮膚・性機能へ及びます。

2型糖尿病とLOH症候群

例えば、アンドロゲンの一種であるテストステロンは、糖代謝・脂質代謝に関与します。

ですのでテストステロン低値を示す方は、糖尿病・メタボリック症候群のリスク因子を持っていることになります。

反対側からとらえると、2型糖尿病の患者さんの中にLOH症候群の方は高頻度に見られます。つまり、2型糖尿病の陰に、LOH症候群を抱えている方がいらっしゃるのです。

テストステロン補充療法を行うと、筋肉量を増やし、また耐糖能を改善できることがわかっています。

LOH症候群は、男性糖尿病患者の生活の質や健康増進を高める上で頭に入れておくべき疾患です。

うつとLOH症候群

テストステロン値が低いと他にも、性機能・認知機能・気分障害・内臓脂肪の増加・筋肉量の減少・貧血・骨密度の減少を生じ、男性のQOL(quality of life)を著しく低下させます。

いわゆる「男性更年期障害」の症状は大きく精神症状・身体症状・性機能症状の3つに分類されますが、その症状のほとんどが「うつ病」などの精神神経科疾患と重なります。

ですから、症状からだけでは本当に「男性ホルモンの低下=LOH症候群」が主要な原因であるのかどうかの鑑別は難しく、専門医を受診することが重要です。

最近ではこのLOH症候群を専門的に診る、男性更年期外来なども開設されています。

フレイルとLOH症候群

LOH症候群では、認知機能・筋力・骨密度・性機能・代謝などADLや生活の質(QOL)に関わる多くの生体機能の低下が起きるとお話ししました。

これらの症状は、フレイルの症状とも密接に関係する項目です。

フレイルを知ろう!やってみましょう、イレブンチェック!

  1. ほぼ同じ年齢の同性と比べて健康に気を付けた食事を心がけていますか       はい
  2. 野菜料理と主催(お肉またはおさかな)を両方とも毎日2回以上は食べていますか  はい
  3. 「さきいか」「たくあん」くらいの硬さの食品を普通に噛みきれますか       はい
  4. お茶屋するものでむせることがありますか                    いいえ
  5. 1回30分以上の汗をかく運動を週2回以上1年以上実施していますか         はい
  6. 日常生活において歩行または同等の身体活動を1日1時間以上実施していますか    はい
  7. ほぼ同じ年齢の同性と比べて歩く速度が速いと思いますか             はい
  8. 昨年と比べて外出の回数が減っていますか                    いいえ
  9. 1日1回以上は誰かと一緒に食事をしますか                    はい
  10. 自分が活気にあふれていると思いますか                     はい
  11. 何よりもまず、物忘れが気になりますか                     いいえ

上記の設問で、表示しているのは理想的な回答です。

ご自身の回答が上記の理想的な回答と一致しない項目がある場合は、要注意です。

ホルモン補充療法によって改善する

テストステロンが不足した状態は、50代の12%、60代の20%、70代の30%、80代の50%に見られます。

ホルモン補充療法によって、筋肉量・筋力・骨密度・血清脂質プロフィール・インスリン感受性・気分性欲・健康感が改善します。

たとえば、次のような研究が行われました。

65 歳以上の地域住民 1,677 名のなかで、虚弱基準(体重減少,低運動量,筋力低下,疲労感,歩行が遅い,のいずれか)があり,血清テストステロン値<345 ngdlで前立腺疾患,排尿障害がない、研究に同意した 274 名を抽出しました。

この方々に、それぞれテストステロンゲル(50 mgday)、または何も入っていないゲルを投与しました(無作為割り付けを行った二重盲検臨床試験)。

その結果、テストステロン補充療法によって、

・膝関節進展筋力の有意な増加
・BMIの増加と脂肪量の減少
・高齢虚弱傾向にある男性で身体機能の改善
・QOL指標(身体症状,性機能症状)の改善が 6 カ月後に見られました。

これらの方々はホルモン補充療法により、ADLの向上や生活習慣病の予防が期待できる可能性があります。

ただし、PSA値が高い方は前立腺癌のリスクが高いため、泌尿器科と協力しての治療が必要となります。

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