先日、朝日新聞で面白い記事を見つけました。
テレビから流れてきた言葉が気になった。「日にち薬」。関西の言葉らしい。
静岡出身の私は初めて聞くその言葉、京都育ちの友人に聞くと、「日常的に使うよ」と返ってきた。
「関西の言葉なんだ」と驚いた様子。
「朝日新聞2022年1月20日「「日にち薬」はどこの言葉?」https://www.asahi.com/articles/ASQ1L5WFJPDSPTFC00M.html
「日にち薬」。薬局で会話を交わす中で、患者さんからもこの言葉を聞くことが時々ありますし、私自身もプライベートで使うことがあります。
「薬を飲んでもなかなかスッキリしない。後は『日にち薬』かしら。」などというように使いますが、この言葉が関西特有の言葉だとは知りませんでした!!
日にち薬とは「あとは日にちがたてば自然とよくなること」を言い表す表現です。
日にち薬と思っておいてください、とお話するときはどんなとき?
わたしたち薬剤師にとって、「日にち薬」という言葉が出てきてしっくりする状況というのは、例えば次のようなときです。
- こどもが転んでひざに大きな擦り傷ができてしまった。傷に水がしみて痛いのでお風呂を嫌がる。
- 脚をねん挫した。レントゲンなどには異常はなかったが、筋を痛めたため3日経ってもまだ痛みがある。
- 1週間前に風邪をひいた。熱は下がって5日ほど経つが、咳がまだ出る。
日にち薬という表現で思い浮かぶのは、こういった、痛みやせきなどの症状が現れてから1~2日、あるいは3~7日、または3週間程度まで現れる症状があるけれど、時間経過とともにしだいに良くなると予想される状況です。
こういうときには、痛みが現れにくい適切な傷の処置の方法や、痛み止めや、咳止めなどの症状を抑えるお薬が役に立ちます。
反対に、いますぐ傷をかさぶたにして痛くないようにするお薬、というのは残念ながらありません。
ですので、身体が自然に治っていくのを待つ、「日にち薬」が必要となるのです。
更年期障害を「日にち薬」と考えていていいかしら?
さて、婦人科の先生の近くで薬局をしておりますと、様々な患者さんがおいでになります。
つらい更年期障害で婦人科を訪れる方々がおられる一方で、ホットフラッシュやめまい、冷え、貧血、不眠、気分障害など、普段の生活に支障をきたしているのに、医療と結びつくことなく我慢しておられる方々がおいでになるのを感じます。
更年期障害は、性ホルモンが低下するにつれておきる身体の不調で、5年から10年続くと言われています。
これを「日にち薬」と唱えながら過ごすのは本当に大変なことでしょう。
薬局でご相談ください
更年期障害はいつまでも続く症状ではありません。時が来れば辛い症状には終わりが来ます。
しかしその期間の過ごし方によっては生活の質を損ない、更年期を過ぎても骨が弱くなったり、つらい思いを引きずることになりかねません。
更年期障害をつらいと感じたら、その期間だけ少し薬の助けを借りて楽に過ごしてみませんか?
薬には様々な種類があり、症状に応じてサプリメントで対応できる場合もあります。
一度薬局で相談してみませんか?