自分のことは自分で守ろう~セルフメディケーションのススメ~

風邪?コロナ?病院?自宅療養?その問題解決しましょう!

1.風邪ってなに?

風邪は正式には「かぜ症候群」という病名のことで、上気道の急性の炎症による症状がでる疾患をいいます。 原因微生物は、80~90%がウイルスといわれていて、主な原因ウイルスとは、ライノウイルス、コロナウイルスが多く、RSウイルス、パラインフルエンザウイルス、アデノウイルスなどが続きます。ウイルス以外では、一般細菌、肺炎マイコプラズマなど特殊な細菌も原因となります。(日本呼吸器学会ウェブより

2.COVID-19は風邪?

「かぜ症候群」の原因となるウイルスにコロナウイルスがあり、日常的に感染するコロナウイルスは4種といわれていて、流行期には35%がコロナウイルスといわれています。また、重症化するコロナウイルスは重症急性呼吸器症候群コロナウイルス SARS(サーズ)、中東呼吸器症候群コロナウイルスMERS(マーズ)がこれまで発見されていて、今回の新型コロナウイルスはSARSの新型とされています。(国立感染症センターウェブより)

3.つまり「風邪は万病のもと」

「早めの〇〇〇〇」というCMは日本人には聞き覚えのあるキャッチフレーズ。でも、これはとても大事なことなんです。 風邪の要因のほとんどはウイルスなので抗生物質は効きません。大事なのは「かぜ症候群の症状を早く抑えて、免疫力の低下や二次感染を防ぐ」ことなんですね。 「風邪は万病のもと」は風邪症候群をとてもうまく表現している言葉ですね。

4.風邪をひいたら病院?薬局?どっちがいいの?

では、かぜの薬を飲むのに病院で診断は必要なのでしょうか?答えは「必要ない」です。

かぜ症候群はあくまで「ウイルス等による感染で上気道(つまりのどから上の体の部分ですね)に炎症性の症状がでることです。くしゃみ、鼻水、鼻づまり、のど痛などですね。発熱は炎症やウイルスに対抗するのに体が体温を上昇させることによるものです。

例えば、「風邪」で病院にいっても、のどの炎症などを確認して、上気道の炎症で「他の疾患ではない」ことを医師の先生が確認されているのであって、「特別ないい風邪薬を処方するため」ではないのです。

病院にいってもらうかぜ薬と薬局で買うかぜ薬は、「ほぼ、内容な似たり寄ったり」なんです。

むしろ、漢方が配合されていたり、便秘になりにくい咳止めが配合されていたり、複数の解熱作用の成分を少しずつ組み合わせていたりと、各メーカーも色々工夫して作っているので、市販の風邪薬の方が飲みやすかったり、広範囲な症状に一種類だけで対応できたりと、なかなか侮れない商品もたくさんあります。

ここ最近、医師の先生による新聞記事などで「市販の風邪薬は危ない」とか「市販の風邪薬は成分が古い」という記事もちょくちょく目にしますが、こういう記事で「風邪ぐらいでも病院にこないとあぶないよ」と不安をあおってしまうのはどうかなと考えます。

日本では「ちょっと体の不調があったらすぐ病院にいったほうがいい」という文化というか、世間の動きというか‥そういう感じあるのかなという気もしますが、客観的な事実でしっかりみていくと、

「現在も販売されている市販の薬は、成分もすべて安全性がわかっているから継続的に販売されているのであって、副作用や体へのリスクが高いものはもう市場からなくなっている」ということは、気に留めていただくといいと思います。

例えば、イソプロピルアンチピリンという解熱作用のある成分は、副作用も多く、いわゆる「ピリンショック」を引き起こしやすいということで、この成分が配合されているかぜ薬は市場からもう

5.病院に行くタイミングは?

風邪ですので、「風邪を引いたから病院に行った方がいいです」という人は、かぜ症候群の症状と、他の病院での治療が必要な疾患による症状と「見分けること」が必要な患者さんの場合と言えると思います。

肝障害、腎障害、痛風、腸炎疾患、など炎症性の基礎疾患をお持ちの方は、症状の悪化なのかかぜ症候群なのかの診断が必要ですのでかかりつけ医に行くことをおすすめします。

また、かぜだと思って風邪薬を服用しても、症状が改善しないときは、かぜ以外の症状の可能性があるので、風邪薬を飲み始めて3~5日程度様子を見て、症状が全く改善しない場合は、病院にいって「風邪薬を〇〇日から飲んでいますが症状が改善しないのできました」と伝えてください。

「だったら、最初から病院行った方がはやいんじゃないの?」と思われる方もおられると思いますが、結局は早めに病院にいっても「風邪薬で少し様子を見てください」となる場合が多く、同じ経過をたどる可能性が大きいです。

また、今回のコロナの第7派で分かったとおり、「風邪薬で対応できるレベルなのに救急外来、発熱外来に行くと病院がパンクする!」ことにもつながります。

大事なのは、「かぜ症候群以外の特別な治療を必要とする疾患が、かぜ症状の患者が多すぎて見過ごしかねない状況」を防ぐことが大事です。

風邪をこじらせて肺炎になっていたり、ヘルパンギーナや溶連菌感染など薬が必要な感染症もあります。

大事なのは「あら、風邪かな?」と思ったら、まず市販の風邪薬を数日飲んで、症状がよくなるかどうかを見ることと、体調が悪ければ会社を休む、遊びに行かない、旅行をキャンセルする・・・という対応がとても大切だということです。

6.体調が悪い時にキャンセルする勇気を

会社員の方などは「医師の診断書がないと欠勤あつかいになる」ということも多く、「医師の診断書だのみ」になってしまう社会システムが日本国内には本当に多いと思います。

水戸黄門さまの印籠のような感じでしょうか。

今回のコロナで会社が抗原検査の陰性証明が2回必要となったこともあって、「検査・診断を重要視」する社会文化はすごいです。

医師の先生方の業務が増えるし、医療崩壊だって起こってしまいます。症状が軽いし、本人も風邪だってわかっているのに、わざわざ診断書をもらいに病院にいかないといけないのですからね。そのあたりの緩和も今後の課題のような気もします。

そして、今回のコロナ感染拡大で、緊急事態宣言や、渡航制限、外出自粛要請などがでたことで「予定していた旅行にいけなくなった。」「行きたいイベントがキャンセルになった」という方も多かったと思います。

でも、よくよく考えてみると、

「体調が悪ければ仕事は休む」「子供が熱を出したので夏休みの旅行をキャンセルした」というのは、昭和の頃は当たり前だったような気もします。修学旅行もいけなくなった子もいるし、遠足だってお休み。会社の飲み会もキャンセルするし、学校も体調がわるかったら休む・・・そんな社会でした。

でも、「旅行に行きたいから子供の熱を下げて」とか「薬を飲んで症状を抑えてとにかく学校や仕事にいく」というケースが薬局で対応していても多いような気がします。インフルエンザの場合はもっとです。「病院でインフルエンザの薬をもらったから飲んで仕事に行く」とかは絶対避けていただきたいことなのですが、薬で症状が治まっているからと言って学校や仕事に行ってしまう人も多いのです。

大事なのは「自分の症状が軽くても、他人に移したらそれは万病のもとになる可能性がある」ということです。それは新型コロナウイルスでも普通の風邪でも、インフルエンザでも同じです。

少し体調がわるかったら、休む。イベントをキャンセルする。飲み会参加を断る。そして早く家に帰って風邪薬を飲んで養生する。

そんなごく普通のことが、今とても大切なのではないでしょうか。

7.養生が一番

「養生」という言葉をご存じでしょうか。

養生とは「衛星を守り健康維の増進に心がけること。病気を治すように努力すること」と辞書にでています。

今の私たちに大切なのはこの「養生」なのだと思います。

薬はあくまで「症状を緩和して病気の進行等によるQOLの低下を防ぐ。」ことであって、病気そのものを「治す」ものではありません。

細菌を退治してくれる抗生物質も、細菌を抑えることで、細菌感染による症状を抑えるのが目的でです。

感染や炎症によって壊れた体の細胞を戻し、体の免疫力を戻すのは結局は自分の体力になるんですね。

人間には「自然治癒力」が備わっています。なにか体の一部の細胞が障害をうけたり、傷ついたり、破損したりするとそれを補おうとする力が働きます。

その力を「養生」で維持すること、パワーアップさせることが一番の「治癒」の近道なんです。

8.セルフケアの達人になろう!

セルフメディケーションという言葉をご存じでしょうか。

「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすることです」(WHOの定義)

セルフメディケーションの効果 (第一三共ヘルスケア「くすりと健康の情報局」より)

 

  1. 毎日の健康管理の習慣が身につく
  2. 医療や薬の知識が身につく
  3. 疾患により、医療機関で受診する手間と時間が省かれる
  4. 通院が減ることで、国民医療費の増加を防ぐ

と書かれています。

大事なのは、自分で判断できる健康管理については「お医者さん任せ」「診断書、検査任せ」にするのではなく、普段から自分の健康管理や体調に気を配り、市販薬を上手に活用し、ちょっとしたことは市販薬で対応する。

そして、それでもダメな時は病院にいく。

そうすることで、医療崩壊も防げるし、病院にいく時間の節約にもなります。保険の節約にもなり、本当に事故や癌、重症な病気にかかった人が使える保険を確保することができます。

私自身もほとんど病院に行くことがないので、自分が払っている健康保険料分は全然使ってないです。でも、以前、水泳の池江選手が白血病になられてそして復帰されたときに「今まで治らなかった病気が治療方法や薬の開発で可能になってきた。高価な薬や治療を受けてもらえるのであれば、自分の健康保険分を私が使わずに誰かに使ってもらえるという考えもあるな」と思いました。

セルフメディケーションは人それぞれが、その人に会った方法で医師、薬剤師、保健師、看護師などの専門家のアドバイスをもらいながら情報収集し、自己判断で自分の体を守っていくことだと思います。

このコロナ感染拡大をきっかけに、皆さんがご自身の体の健康に向き合っていただけると嬉しいです。

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