今年の初め、大きな災害が日本を揺るがしました。
被災されたみなさまには心からお見舞い申し上げると共に、一日も早い復興をお祈りしております。
さて、この震災で他府県からモバイルファーマシーがニュースで取り上げられました。
しかし、薬の供給は震災前のようにはいきません。また、地域によってはモバイルファーマシーやDMAT、自衛隊の支援が行き渡り切っていない地区もあるようです。
そこで、今回は糖尿病患者さんの
「糖尿病なのに、被災してしまったどうしよう!」
にお答えしたいと思います。
災害時の糖尿病患者への対応についてはすでに阪神淡路大震災の時に指摘されており、日本糖尿病協会が対応して、東日本大震災の時に災害時のインスリン製剤などを提供できる体制を構築しています。
https://www.nittokyo.or.jp/uploads/files/disaster_manual.pdf
1. 「薬がない」と不安!!
まず被災した直後はパニックに陥ります。「薬がないと命に係わる。」「薬がないと病気が悪化する」という恐怖に襲われるのです。
運よくインスリン製剤や血糖降下剤を持ち出せた場合でも、手持ちの薬が毎日毎日なくなっていくのはとても心細く、とてもストレスですよね。
阪神大震災のボランティアで行った避難所では、血糖コントロールが悪くなるためか、怒りっぽくなり、他の被災者に対して「自分は病気なのにケアしてもらえない!」と訴える方も多かった記憶があります。
当時は今ほど薬剤情報提供や、薬剤師によるフォローアップなどもなかったので、患者さんの糖尿病の治療や薬に関する知識が今ほどではなかったということもあると思います。
2. 避難所での薬のコントロール
災害発生直後は十分な食事がとれず、避難所でもパンなどの炭水化物がメインの食事が多くなります。普段から糖分を制限している生活になれている糖尿病の方にとって、「血糖が上がるから心配して食べたくない」という気持ちにもなってしまいます。
でも、糖分は体の機能を維持するのにとても重要な栄養素なので、特に被災直後で精神的にストレス下にある時は、糖分をとることで精神的にも落ち着くことがあるので食べた方がいいのです。
また、1型糖尿病患者は食事がとれない場合でもインスリンが必要です。
I型糖尿病の場合は食事がとれない場合は通常の40~60%の単位打で打つのが通常で、最近では主治医から指示を受けている患者も多いですが、糖尿病学会からガイドラインが出ていますので、こちらをよく読んでおきましょう。
Ⅱ型糖尿病の場合は、食事の量によって調整する必要はあるのですが、低血糖を起こす方が危険なため、グリペンクラミドなど低血糖を起こす可能性のある血糖降下剤を服用している場合は、食事のタイミングに半量にするなど、低血糖を都度対応をして、メトホルミンなど低血糖を起こさない薬をきちんと飲むのも方法です。
ですから、普段からご自身が飲んでいる糖尿病薬のどれが食事が食べられないときに低血糖を起こす可能性があるのかを薬局で教えてもらっておきましょう。
日本糖尿病協会のホームページにも詳しくかいてあるので参考にしてください。→こちら
3. 自分でできる災害対策
まず糖尿病の方は、災害時にご自身がどのような状況になるかはわからないので、ご自身が糖尿病であることが周囲にわかるようにしておくのが大切です。
海外では「糖尿病タグ」というのがあり、キーホルダーやバッグタグなどがあります。

(https://www.amazon.co.jp/)

特に1型糖尿病の方は被災して怪我などを負った時の救急対応が変わってくることもあるので重要です。
また、糖尿病の方の災害対策としてお勧めすることはお薬手帳にご自身で注意することや気を付けようと思うことをメモをしておくことも大事です。
日本糖尿病協会では、糖尿病の患者さんに災害ハンドブックを作成することを推奨しています。→こちら
また、インスリン注射を使用している方は、普段から一週間分ほどは余裕があるようにしておきましょう。
4. 薬局を活用して普段からの災害対策をしましょう
普段薬をもらっている薬局で、どの薬が低血糖を起こしやすいのか、災害時はどの薬をどうしたらいいのか、主治医とどう相談して教えてもらっておけばいいのかというアドバイスをもらっておきましょう。
また、普段から行く薬局を一つに決めておく、いわゆる「かかりつけ薬局」にしておくと、災害時にその薬局が情報をすべて持っているので、災害時に薬をもらう時などはスムーズに対応できます。
