「両親の実家に行くと、いつも薬がたくさん残っている気がする。」
「家族が予備の薬とかたくさん置いてあって、正しく飲めているのか不安」
「食卓や洗面所のあちこちに薬が置いてある」
そんなお悩みありませんか?
残薬が発生するのはどうして?
患者さんの高齢化や、合併症の増加、服用する期間が長くなるなどが「飲み残し」や「残薬(ざんやく)」が増える要因ということがわかってきています。
ある研究報告では、「残薬が発生し、長期化することに関係する概念」として、
- 薬に対する不信
- 医療者との服薬に対する認識のズレ
- 医療者との心理的な距離感
- 薬物治療に対する諦め
- 地震の服薬状況に対する肯定
- 残薬の肯定
があげられています。そして、これらの概念に対して薬剤師が関わることが大事だと報告されています。
(参考:高齢者の薬物治療における残薬発生・長期化の要因に関する質的研究:中村友真他、社会薬学 Vol.35 No.1 2016)
では、その残薬の状況は全国的にどうなっているのでしょう?

残薬の実態を調査してみたら・・・!?
年間約118億円が削減できる!?
平成24年に薬局を対象にした調査で、薬局が実際に処方せんを発行した病院等に連絡をして、処方の日数を減らした実績を調べたところ、処方せん受付1件あたりの医療費の削減は15.0円でした。このことから、平成24年の年間処方せん受付が7億8986万回なので、薬局で処方せんを確認して処方日数を減らす業務を1年間行うと、推計で118億円の医療費削減額になることが報告されています。
(中村一仁ら他8名、保険薬局における残薬の確認に伴う疑義照会が及ぼす調剤医療費削減効果の検討;医療薬学 2014 40(9) p522-529)
年間約3300億円が削減できる!?
平成24年に福岡市薬剤師会で行った節薬バッグ運動で、1600枚のバッグを配布したところ、15.8%の252名が残薬を持参し、その総額は839665円。そのうち、再利用が可能な状態だった薬は702695円で、廃棄した薬は94801円となりました。この結果から処方せん1枚当たりの削減単価は2700円となることから、平成23年の年間処方箋枚数が全国で7億7200万枚で、そのうち残薬を15.8%から回収できた場合、年間約3300億円分の薬代の削減ができる可能性が推計されました。
(小柳香織他10名、薬学雑誌 2013 133 (11) page1215-1221 節薬バッグ運動 外来患者の残薬の現状とその有効活用による医療費削減の取り組み)
高齢者の残薬の実態
平成26年に埼玉県で実施された「高齢者等の薬の飲み残し対策事業」の報告では、高齢者の世帯で、患者一人当たりの残薬の数は8.0品目(中央値)で、8434.5円でしたが、薬剤師が医師に調整を依頼したり、患者の状況に合わせた調剤方法に変更したりなどの取り組みによって、患者一人当たりの残薬数は6.0品目に減り、総額945735円の削減できたという報告があります。
(平成26年度 薬局・薬剤師を活用した健康情報拠点推進事業 高齢者等の飲み残し対策事業(埼玉県)より)

どやって残薬を減らせられるの?
平成28年に札幌で行われた、患者の服薬行動=「患者の消費者行動的側面」から残薬削減のための施策を検討した研究では、患者の個々の状況を踏まえた上での情報知恵胸や生活習慣の改善など患者教育が重要であるとされています。
患者さんの効能効果の理解を高めるだけでなく、患者さんの負担感の軽減等にも薬剤師など医療専門職が積極的にかかわることでアドヒアランスがよくなることが考えられ、生活者としての患者の視点や行動様式に焦点を当てた医療専門職の介入も残薬の解消に有効である可能性が報告されています。
(櫻井秀彦、古田精一 残薬削減のための実証研究:薬局における患者満足と服薬継続意思の影響構造の比較 生活経済学研究 Vol.43 (2016.3))
結局、どうしたらいいのよ!
色々と難しいことをお話ししましたが、結局のところ、「家に薬が余っててどうしよう」と思ったらとにかく相談に来てください!
今は当薬局ではない他の薬局からもらっている薬や、病院の中でもらっている薬でもなんでもOKです。
「実家に帰ったらいつも薬が散乱している」
「あちこちの薬局や病院でもらってくるから収拾がつかなくなっている」
そんな状況でも大丈夫です!
残っている薬をごっそり当薬局で持ち込んでください!
残っている薬の数を合わせて、次にどのように医師に日数をお願いしたらいいのかや、ご自宅での薬を残さない保管方法なども一緒に相談していきましょう。
また、ご自身で残薬の管理をしたい方は、セブンファーマシーのブラウンバッグをぜひ使ってください。
いつのどこの病院の薬なのか、いつ飲むのかを直接バッグに書き込めます!
「ブラウンバッグください」と店頭でお声をかけてくださいね。
