
ストレスフルな社会の中で、最近「ストレス軽減グッズ」なるもののがたくさん出てきました。
その中で、とても身近にあるチョコレートで、「ストレス軽減チョコ」と表記されている商品があります。
「ストレス軽減チョコって何?」「効果はあるの?」「他のチョコレートは効果が無いの?」「チョコレート以外にストレス軽減の食べ物はあるの?」
そんな疑問に薬剤師の化学者的視点から説明していきましょう!
結論、効果はある!です。

ストレス軽減チョコって効果があるの?というご質問の答えはズバリ
結論しっかりあります!
実は、ストレス軽減チョコは、「GABA強化チョコレート」としてストレス軽減の効果について研究について論文が発表されているんですね。
論文が発表されているということは、その内容は根拠があり信ぴょう性がある内容なんですね。
そして、その論文の内容をもって、グリコは機能性食品の許可を取っているので、パッケージに「ストレスを軽減します」ということが表記できるんですね。
この論文を読む限り、グリコは通常のチョコレートに比べGABAの成分を強化していることが明記されています。
論文の結果は、ブランドサイトにもでてますね
2003GABA強化チョコレートを研究発表
高所恐怖症の男女に、GABA摂取後に谷瀬の吊り橋(全長297.7m、高さ54m)を渡らせた結果、ストレス時に唾液中に分泌されるCgAの量が減少しました。
谷瀬のつり橋っていうのがまた、地元の奈良県民としてはうれしいチョイス!
また、科学的根拠については消費者庁のウェブにきちんと掲載されているんですね。→こちら
普通のチョコレートやカカオを原料としたココアもGABAを含んでいてストレス軽減効果はあるのですが、「GABA強化チョコ」はその倍のGABAが入っているので少ないチョコでも効果が得られると考えられますね。
ただし、GABA強化チョコレートは機能性食品ですので1日の食べる目安がきちんと書かれています。1日10g、つまり1日5粒ですね。
そこはしっかり守りましょう!
昔から寝つきが悪いとホットココアを飲む習慣が欧米にあったようですが、それもGABAの効果を体験的に理解していたからでしょうね。
さて、ここからは少し難しいお話。
GABAって何?
GABAは正式名称を「γ-アミノ酪酸(Gamma-AminoButyric Acid)」といって、人間の脳や脊髄だけでなく、腸や膵臓など人の体中にもともと存在する化学成分なんです。
GABAは人の神経を作っている細胞と細胞の間を行き来して、神経の信号を他の神経に伝える役割をしていて、別名「神経伝達物質」と呼ばれます。
1950年代に哺乳類の脳から発見され、その後、神経伝達物質としての役割が明らかになりました。
GABAは、主に脳の興奮を抑え、リラックス効果をもたらすことがわかっています。
GABAの役割
GABAは、脳内の神経伝達を調整することで、様々な生理機能に影響を与得ることが近年わかってきています。
現在わかってきているのは以下のとおりです。
- ストレスの緩和: 興奮した神経を抑えることで、ストレスを軽減し、リラックス効果をもたらします。
- 睡眠の質向上: 睡眠を促すメラトニンというホルモンの分泌を促進し、質の高い睡眠を得るのに役立ちます。
- 血圧の安定: 交感神経の働きを抑えることで、血圧の上昇を抑制する効果も期待できます。
- 成長ホルモンの分泌促進: 成長ホルモンの分泌を促し、筋肉の成長や代謝を促進する効果も期待できます。
- 筋肉の弛緩: 筋肉の緊張を和らげ、リラックス効果をもたらします。
こうしてみると、体の中のあらゆるところでGABAが神経と神経の間を行き来して働いてくれているのがわかりますね。
GABAの効果
ここでは、科学的根拠に基づいたGABAの効果について詳しく見ていきましょう。
ストレス軽減効果

GABAは、ストレスを感じると分泌されるコルチゾールというホルモンの産生を抑制する効果があります。
また、脳波を測定する研究では、GABAの摂取によりα波が増加することが確認されています。
α波はリラックスしている状態の時に多く出現する脳波であることから、GABAにはリラックス効果があると考えられます。
例えば、仕事でプレゼンテーションを行う際や、渋滞に巻き込まれた時など、ストレスを感じやすい状況でも、GABAを摂取することで、より落ち着いて対処できるようになる可能性があります。
ですので、チョコレートもプレゼンの前やミーティングの前などに食べるのもいいかもしれませんね。
また、GABAは、注意力や記憶力などの認知機能を向上させる可能性も示唆されています。
これは、GABAが脳内の情報伝達をスムーズにすることで、認知機能の効率を高めていると考えられます。
私も個人的には文献を検索したり、読み込んだりするときによくチョコレートを食べていますね。
睡眠改善効果
GABAは、睡眠の質を向上させる効果も期待できます。
GABAを摂取することで、深い睡眠が増加し、中途覚醒が減少することが報告されています。
これは、GABAが睡眠を促すメラトニンというホルモンの分泌を促進するためと考えられています。
睡眠不足は、日中の眠気や集中力低下だけでなく、免疫力の低下や生活習慣病のリスクを高めることにも繋がります。
GABAを摂取することで、質の高い睡眠を確保し、これらのリスクを軽減できる可能性があります。 また、GABAには、うつ病の症状を改善する効果も期待されています。
だから、GABAを含んだ機能性食品でも「睡眠前に」と表記されているドリンクなどもあるんですね。

血圧降下作用
GABAには、血圧を下げる効果も期待できます。
高血圧の方にGABAを摂取させた研究では、血圧が有意に低下したという結果が出ています。
これは、GABAが交感神経の働きを抑え、血管を拡張させる効果があるためと考えられています。 高血圧は、様々な疾患のリスクを高める要因となります。
GABAを摂取することで、血圧を正常に保ち、健康を維持できる可能性があります。
市販では機能性食品のトマトジュースに「高血圧に」と表記されている商品がありますね。
成長ホルモン分泌促進効果
GABAは、成長ホルモンの分泌を促進する効果も期待できます。
成長ホルモンは、筋肉の成長や代謝を促進する効果があり、運動能力の向上や疲労回復に役立ちます。
GABAを摂取することで、運動後の成長ホルモンの分泌量が増加することが報告されています。
GABAを多く含む食品
GABAは、様々な食品に含まれています。 特に、発酵食品や野菜に多く含まれていることが知られています。
| 食品 | GABA含有量 (mg/100g) | 1食分の目安 |
|---|---|---|
| 発芽玄米 | 10.0 | 茶碗1杯(約150g) |
| トマト | 3.0 | 中1個(約200g) |
| きゅうり | 2.5 | 1/2本(約100g) |
| なす | 2.1 | 1本(約200g) |
| じゃがいも | 2.0 | 中1個(約150g) |
| カボチャ | 1.8 | 1/8個(約200g) |
| ブロッコリー | 1.5 | 1/2株(約100g) |
| みかん | 1.2 | 2個(約200g) |
| バナナ | 1.0 | 1本(約100g) |
| 緑茶 | 0.8 | 1杯(約100ml) |
これらの食品を積極的に摂取することで、GABAを効率的に摂取することができます。特に、発芽玄米はGABA含有量が高いため、おすすめです。
GABAサプリメントの効果と注意点
GABAはサプリメントとしても販売されています。サプリメントは、食品から摂取するよりも効率的にGABAを摂取できるというメリットがあります。
GABAサプリメントには、合成GABAと発酵GABA(PharmaGABAなど)があります。
合成GABAは化学的に合成されたもので、発酵GABAは乳酸菌などを使って発酵させて作られたものです。
しかし、GABAサプリメントの効果や安全性については、まだ十分な科学的根拠が得られていないという意見もあるので、GABAが配合されたサプリや機能性食品を摂るときは、そこに記載されている食べる量の目安をしっかり確認して、守りましょう。
GABAサプリメントを摂取する際の注意点は以下の通りです。
- 摂取量を守る: 過剰摂取は、吐き気や消化不良などの副作用を引き起こす可能性があります。 また、皮膚の刺激や頭痛、呼吸困難、倦怠感などの副作用が報告されている場合もあります。
- 医薬品との相互作用: 服用中の薬がある場合は、医師や薬剤師に相談してから摂取しましょう。
- 妊娠中・授乳中の摂取: 妊娠中や授乳中のGABAサプリメントの安全性は確立されていません。

GABAに関する最新の研究
GABAに関する研究は、現在も盛んに行われています。最近の研究では、GABAには糖尿病の予防効果も期待できることが示唆されています。 GABAは、インスリンの分泌を促進し、血糖値を下げる効果も期待されています。