コロナも落ち着き、ここ最近は旅行ブームが再来!
海外旅行に行かれる人も多いのではないでしょうか。
最近は昔に比べ、高齢の方の旅行者も増えたと思います。それは、日本の高齢者の方がとてもお元気な証拠!
とはいえ、普段から薬を飲んでおられて、
「旅行中の薬をどうしたらいいの?」と悩まれる方も多いのではないでしょうか?
私は海外で仕事することも多く、また海外支援のNGOを運営していることもあり、行く先々で「薬に困っている日本人」の方に遭遇することも多いんです。
今回はその経験も踏まえ、薬剤師の視点で「旅行に行くときの薬の取り扱いのアドバイス」をお伝えしたいと思います。
目 次
1.原則、海外現地で薬を調達しない事
最近は日ごろから家庭薬を自宅に置いておかない人も多く、旅行に行くときに全く薬を持って出ないという方も多いと思います。
国民皆保険で、日本全国どこでも医療保険が使える日本国内であればお薬手帳の記録などがあれば、前に飲んだことのある薬やアレルギーを起こした薬の成分などの記録もあるので、どの病院や薬局でも情報を確認して、対応してくれます。
が、しかし!
海外は同じようにはいきません。
「現地で薬を買ったらいいでしょう」と軽く考えていると大変な事案につながりかねないので危険です。
海外では日本の薬の用量(=1錠の中に入っている有効成分の量)が倍量であることも少なくありません。それは欧米人と日本人の体格の違いを見れば明らかです。さらに、東南アジアやアフリカなども途上国では、これらの欧米の医薬品が輸入されていることが多いです。さらには、欧米の医薬品を基準に作られた、インド製、中国製など品質的に問題のある医薬品も多く出回っています。
日本の薬剤師でも、途上国でその医薬品の製造国や品質の状態を確認するのは苦労します。
なので、原則「家庭薬レベルの薬は日本から持っていく」のがベストです。
持って行った方がいい薬は以下の通りです。
- 感冒剤(総合かぜ薬)
- 解熱鎮痛剤
- 咳止め(コロナ対策も含め、いまはあると便利)、医薬品のトローチでもOK
- 下痢止めや胃薬 (陀羅尼助や赤玉など、総合的な効果のあるのがお勧め)
- 虫さされの塗り薬
- イソジンなどの消毒薬又は消毒成分の入った軟膏
- 絆創膏
それぞれ、3日分くらいもっているといいと思います。つまり、3日間飲んでも症状がよくならなかったら、病院に行った方がいいからです。

2.いざという時は日本の薬を調べてみる
それでも、やむを得ず現地で薬を調達しないといけない羽目になったとしましょう!
その時に使えるのが「お薬の適正使用協議会」の「くすりのしおり」です。
https://www.rad-ar.or.jp/siori/

① 自分の欲しい薬がわかっている場合
ここでカタカナで自分が知っている薬の成分や、薬の名前などを入れる。
症状で検索してもいい。日本の薬の名前が出てくる。
成分の日本語表記の横に英語で成分が表記されている
成分表記と何㎎かというのを確認し、それをメモに書いて、現地の薬局で見せる
薬をだしてきたら、薬の成分の英語表記と何㎎かどうかを確認しよう。
飲み方も、現地の人が言う飲み方ではなく、薬のしおりに書いてある飲み方に合わせましょう。
② 現地で出された薬が何の薬か調べたい場合
薬の名前の英語表記や、成分の英語表記を「くすりのしおり」で検索する。
成分の名前や、何㎎かを確認。
日本の飲み方に合わせて、1日の量を合わせる。
3.糖尿の薬は「食事のタイミング」に合わせる
海外旅行に行った時に困るのが、機内食のタイミングと薬を飲むタイミング。
特に、フライトが10時間を超すときはどうしたらいいの?となります。
まず糖尿病の方は、原則、食事のタイミングに合わせます。
食事を食べていないのに服用するのは低血糖を起こす可能性もあるので危険です。
また、機内で食欲がなく食事量がそれほど摂れなかった場合は、甘いジュースなどをもらって糖分を摂取してから糖尿の薬を飲むようにしましょう。
薬を数種類飲んでいる方は、事前に主治医や薬貰っている薬局で、「今度海外旅行があるんだけど、」と旅程とフライトの時間を提示して相談しましょう。
4.時差があるところはどうしたらいいの?
海外旅行で困るのが時差!
特に、高血圧薬などを起床時などに飲んでいる方も「機内で寝て起きたら起床時?」と戸惑いますよね。
対応はその人の高血圧のコントロール状況によりますので、そこは主治医としっかり旅行の日程を相談して、どこのタイミングで飲んだらいいのか、スキップしてもいいのかなど具体的に相談しておきましょう。

5.機内持ち込みが不安
機内持ち込みをするのに、「セキュリティでひっかかったらどうしよう」と心配になるのが、インスリン注射、喘息吸入薬、点鼻薬、小児科の子供の粉薬などですね。
特に、子供連れで海外旅行に行く人も増えているので、粉や水薬だと持ち込みが不安です。
① 旅行に行く際は、できるだけ粉薬でもらっておきましょう
子供がシロップ剤の方が楽というのもあるかと思いますが、旅行中は保存の問題もあるので、できるだけ粉薬で処方してもらいましょう。
湿気や雨などで濡れることも考えられるので、かならずチャック袋などに個別に入れましょう
② 持ち込みが心配
薬を持ち込むときに不安になるのがセキュリティ。
日本国内ではお薬手帳などの提示や、薬をみればわかるので問題ないですが、海外旅行の際の海外の空港でのセキュリティが問題です!
乗り継ぎがあったときに、「ナニコレ!?」って没収されたらどうしよう・・となります。
欧米は喘息患者や糖尿病患者も多いので、薬に対しての理解はしやすいかもしれませんが、国によってもセキュリティの質はまちまちですので、「大丈夫」と楽観視もできません。
その場合は、事前に主治医から英語での診断書をもらっておくか、薬局で処方内容の証明を書いてもらう方法があります。
当薬局では、処方内容を英語表記し、薬局として、「この薬は当該患者さんに必要な薬です」という証明書を作っています。
薬局による証明は特に公文書ではなく、当薬局がこれまで海外旅行で薬の持ち込みが不安な患者さんのご要望にお応えして、自主的に行っているサービスです。
気になる方は薬局へお気軽にお問い合わせください。
6.薬局と繋がっておこう
海外で何があるかわからないのが旅行です。
旅行先で、薬の問題について薬局に聞いてみようと思ったけど、いざ電話しようにも、「あ~時差で日本では夜中だ!」という場合もあります。
そんな時にお勧めするのがKakariです。
薬局と繋がっていることで、メッセージを送信しておけば、日本で薬局が開くころには返事がもらえます。また、写メでもらった薬の画像などを送って確認したり、相談したりもできるので便利です。
海外旅行に行く前に、ぜひKakariでつながってください。

