朝晩すっかり寒くなってきましたね。いよいよ冬が目前まで来ています。
今日は、一般的な冬の体調不良への対応の仕方を考えてみたいと思います。
こどもが冬に体調を崩す場面・・・冬の代表的な3つの疾患
冬、乳児や幼児、小学生の保護者の方々、お子さんがこんな感じのときに、どう対応していますか。
①鼻水が出ていて、咳も出ていて、発熱もあるけどそんなに高くない・・・
いつもより鼻水が出てて、咳もあって、ひょっとして熱がいつもより高めなんだけど、まあまあ元気そう・・・
いろんな病気の可能性がありますが、ひょっとするとこれは、RSウイルス感染症かもしれません。
風邪は ウイルスが原因で起こります。
秋から冬にかけて、鼻水・咳や発熱などのいわゆる風邪様症状が現れる原因となるウイルスが、RSウイルスです。
通常は4,5日の潜伏期間ののち、鼻水や咳の症状が現れます。
2歳以上のこどものほぼ100%が、1歳以上の70%が、一度はRSウイルスにかかったことがありますので、軽症で済むことが多いと言われています。
こういった年齢のこどもで、
・鼻水や咳があるが熱はない
・発熱はあっても元気そうにしている場合
は、自宅で様子をみてかまいません。
「RSウイルスが 園で流行っているから 心配で・・・」
「保育園・幼稚園でRSウイルスが流行っているから心配」と、受診しようか、悩む保護者の方々もおいでになると思います。
RSウイルスは一般的な風邪のウイルスですから、こんなとき、まずは、お子さんがRSウイルスに感染して重症化するリスクのある年齢かどうかを考えます。
1歳を越えていれば多くの場合には重症化するリスクは軽減していきます。
1歳になるまでに50〜70%のお子さんがRSウイルスに感染しますし、2歳までにほぼ全員1回は感染します。そして、何回も感染するのが特徴です。
RSウイルスはどこにでもいる風邪のウイルスで、大人でも何回も感染し、年長児や大人に感染すると鼻の症状だけ引き起こす、そんなウイルスです。
おうちで こんなふうに過ごしましょう
熱がある場合は、保育園や幼稚園、習い事などはお休みをして、熱が下がるまでおうちでゆっくり過ごすことが大事です。
おかゆなどの糖質、豆腐や卵といった消化に良いタンパク質を摂り、油脂が多いものは控えましょう。水分はこまめに、特に熱がいつもより高いときはしっかり、を心がけます。
また、眠れるようならできるだけゆっくり眠らせてあげてください。
眠れないお子さんも、本を読む、ブロック遊びなど活動性の低い遊びで静かに過ごせたら大丈夫です。
看病する保護者の方々は、手洗いとマスクがとても有効な感染予防策になりますので、忘れずに行いましょう。
もしも、以下のような症状がある
- 息を吐くときに「ヒュー、ヒュー」「ゼー、ゼー」と音がする
- 顔色や唇の色が悪い
- 胸がペコペコとへこむような呼吸をする
- 呼吸が速く、呼吸の回数が極端に増えている
または、以下に当てはまる
- 1歳未満
- 早産で生まれた
- 慢性肺疾患や先天性心疾患がある
というお子さんは、要注意です。特に上記の症状がみられる場合は早めに医療機関を受診しましょう。
②半日で急に高い熱が出た。鼻や咳はないけれど、だるいと言ってしんどそう・・・
①とは反対に、いきなりの高熱と、いつもと違うだるい感じで「これはなんか違う!」と思う場面です。
こういう症状のときは、もしかしたらインフルエンザかもしれません。
インフルエンザは こんな病気です
インフルエンザは、インフルエンザウイルスが原因で起きる感染症で、ワクチンで防ぐことができます。
寒くて乾燥する季節に流行します。
昨冬シーズン(2020-21)には、手洗いやマスクなど、新型コロナウイルスへの対策をとっていたおかげで、流行がほとんどありませんでした。
今年も同じように対策することが重要です。
インフルエンザは重くなりやすい疾患で、一般の風邪とは区別する必要があります。乳児・幼児や高齢者は要注意です。
それでも、症状が比較的軽く、自宅にある常備薬などで療養できる方は、診療所や病院に行く必要はありません。
通常は1~3日の潜伏期間が過ぎると、発熱と同時に、全身倦怠感、頭痛、筋肉痛、関節痛が現れます。
発熱は多くの場合、38℃を超えることが多いです。続いて咳や大量の鼻水が出て、約1週間ほどで治ります。
症状が出てから24時間ぐらいが受診のタイミングです
検査・診断や治療薬を求めて受診をする方も多いのですが、あわてて受診すると、検査で正しい判定が出ないことがあります。
発症から約12時間たったころから、ようやく検査で陽性になります。いちばん正しく判定できるのは発症から24時間後ごろと言われています。
例えば午後になってから、発熱や寒気、全身の痛みなどの症状が現れた場合なら、その夕方はゆっくり過ごし、翌日の朝に受診すると検査で正しく判定できる確率が上がります。
検査で正しく判定されると、正しい診断とお薬の処方を受けて、適切な自宅療養ができます。
おうちで こんなふうに過ごしましょう
普段から自宅に解熱鎮痛剤を常備しておいて、高熱や関節痛をやわらげるために利用します。
インフルエンザの場合は、有効成分が「アセトアミノフェン」のものを選びましょう。
こどもの熱にはアスピリン(市販薬:バファリンなど)やジクロフェナク(医療用:ボルタレン)は使ってはいけません。
また、メフェナム酸(医療用:ポンタール)もインフルエンザのときには避けるお薬です。
インフルエンザに限らず、もしも38℃以上の熱があって、特に医師の診察を受けておられない場合は、解熱鎮痛剤としてアセトアミノフェンを使うことをお勧めします。
なお、解熱鎮痛剤を何度も使うと、たくさんの汗をかき、水分が失われて、体力を消耗します。
高熱や痛みで眠れない場合に解熱鎮痛剤を服用しましょう。熱があっても眠れるようなら、お薬をのまずに様子をみてもかまいません。
③突然の嘔吐!すっきりしたら、また嘔吐!・・・からの下痢!
とにかくあふれ出す、つらい症状!
そんなときは、もしかするとノロウイルス感染症かもしれません。
ノロウイルス感染症は こんな病気です
ノロウイルスは、小児や高齢者に嘔吐や下痢を起こすウイルスです。アルコール消毒が効きにくいウイルスです。ワクチンはありません。
潜伏期間は24~48時間で、吐き気・嘔吐・下痢・腹痛を起こします。発熱はあっても軽度のことが多いようです。
1歳以上の子供なら2~3日の経過で、自然に回復することがほとんどです。
きっかけは食事などに含まれるウイルスによる食中毒ですが、その後、感染者との会話などでの飛沫感染や、糞便や吐しゃ物から人の手などを介した2次感染によって感染が広がります。
その感染力が強いため、家庭、保育園・幼稚園・小学校のように、集団生活をする場では流行しやすいことが知られています。
つまり、集団生活でもマスク着用や正しい手洗いを行って、患者の吐しゃ物や排泄物を適切に処理することによって、2次感染を防ぐことができます。
よく似た症状を示す疾患に、ロタウイルス感染症があります。こちらは、乳児のうちにワクチンを接種することで患者数がガクンと減りました。
ロタウイルス感染症は症状が1週間続きます。
症状からの区別は難しく、手当の仕方はだいたい同じですが、症状が長引くために脱水症状が深刻になる可能性があります。
ノロウイルスに 特効薬はありません
ノロウイルスには、ワクチンも、ウイルスをやっつけてくれるような特効薬もないので、病気が治るのを待つあいだ、できるだけ苦痛をやわらげて過ごしやすくすることを目指します。
ただし、下痢を止めるお薬を使うと、体外にウイルスを排出し除く反応を邪魔してしまうことにつながります。
家でゆっくり療養することで回復します。
吐き気を止めてもウイルスの排出を邪魔してしまうのですが、食事や水分を摂ることが難しいと身体が脱水を起こしますので、ひどい嘔吐が続く場合は吐き気止めのお薬を使います。
吐き気止めのお薬が必要なほどの嘔吐や脱水があれば受診が必要です。
それから、乳児で
● 飲み物を飲んでおらず、ぐったりしている
● 尿や涙が出ず、顔色が悪い
● 下痢や嘔吐の症状が激しい
● 唇や爪の色が紫色で、触ると冷たい
といった場合は、早めに受診しましょう。
おうちで こんなふうに過ごしましょう
糖質と水分を補給できることがとても大事です。
おかゆ、砂糖水、バナナ、りんごなど、糖質を豊富に含んで本人が食べられるものなら何でも構いません。
乳児の場合、離乳食は1段階戻し、乳製品は一旦やめておきましょう。
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